体調不良を市販のかぜ薬でごまかしながら、仕事を続けていた主人公。2週間経っても治らなかったため、病院へ行くと、脳腫瘍ステージ4と知らされます。余命は長くて1年、ともすれば1週間後すら怪しいと言われ、主人公は絶望しました。そんな主人公の元に、悪魔が現れ、取引を持ち掛けられます。”この世界から何かを1つ消すと、その代わりに寿命が1日延びる”というものだったのですが…
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表紙のカバーを外すとハワイアン!!
実はこれも、物語とちょっとだけ関係しているんですよ。
読みやすいので、普段読書をしない方にもおすすめです。
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ただ…
なぜだか、私はあまり泣けませんでした。(数年前、図書館で借りて読んだときには号泣したような気がするのですが…汗)
唯一、思わず涙が溢れてきてしまったのが、友人が主人公にDVDを渡しながら、ポロポロと涙をこぼすシーンでした。
主人公に対して、残念だな、と思ったことがあります。
それは、「映画」を消してしまったこと。
昔の恋人が、映画館の上にある部屋に住むほど大好きな「映画」。
学生時代の親友が、周囲からオタク呼ばわりされるほど、熱狂的に愛している「映画」。
この2人の人生から「映画」を消してしまったら、彼女や彼の今後の人生はどうなってしまうのでしょう…
実はこの2人、映画鑑賞を生きがいとしているだけではなく、業種は違えど、映画に関する仕事をして、細々と生活しているのです。
映画がないなんて…もう、悲しいイメージしか浮かんできません…
主人公にとって、かけがえのない大切な人だったはずなのに。
自分の寿命を延ばせれば、他の人なんて関係ない?
自分のために泣いてくれた人なのに?
そして、物語が進めば進むほど冷静になってしまい、泣けなかったのでした…
(読んで、泣いて、スッキリする予定だったのですが。汗)