小川糸「サーカスの夜に」
幼い頃、両親に捨てられ、祖母と祖母の住むアパートの大家さんに育てられた主人公の少年。病気の治療の副作用で、13歳ではあるものの、10歳の体の大きさで成長が止まってしまいます。そんなある時、町の近くにサーカスがやってきました。少年はサーカス団の一員となるために、ひとり立ちを決意します。
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”人を笑わせるってことは、人を傷つけたり哀しませたりすることより、百倍も千倍も難しい。人生の哀しみを知らなくちゃ、相手を笑わせることなんてできないもの。孤独を知っているからこそ、みんなでバカ笑いできる幸せをありがたく思えるのよ。”
この物語は、作者がこの言葉を言いたかったのではないか、と思いました。