本のある ゆたかな暮らし

本を読んで心豊かに暮らしたい

2019-01-01から1年間の記事一覧

原田マハ「総理の夫」

原田マハ「総理の夫」 主人公の日和はマイペースな性格で、鳥類学者をしています。妻が日本初の女性総理大臣となったことで、日本初の”総理の夫”になりました。妻を支えるべく、総理の夫として悩みながら暮らす毎日なのですが… *** 分厚い本ですが、さく…

新海誠「(小説)秒速5センチメートル」

新海誠 小説版「秒速5センチメートル」 この本は、映画「秒速5センチメートル」を新海誠監督がご自身で小説化したものです。 親の仕事の都合で転校を繰り返していた主人公の貴樹。小学校6年生の時に似たような境遇の転校生である明里と出会います。2人はお互…

朝倉かすみ「好かれようとしない」

朝倉かすみ「好かれようとしない」 主人公の風吹はとても不器用で、すぐに顔が赤くなることから、昔からの友人には「ユゲちゃん」と呼ばれています。ある時、開かなくなったスーツケースを開けるために呼んだ鍵屋に恋をしてしまいます。 *** この物語の設…

にしぐち瑞穂「キャサリン妃 着こなしルール」

にしぐち瑞穂「キャサリン妃 着こなしルール」 イギリス王室のキャサリン妃は、なぜ世界中から愛されるのか。キャサリン妃のファッションや生き方などをまとめた本です。 *** 以前からキャサリン妃が好きで、特にファッションは参考にさせて頂いていまし…

市川拓司「こんなにも優しい、世界の終わりかた」

市川拓司「こんなにも優しい、世界の終わりかた」 世界中の空が灰色の雲に覆われ、その雲から青い光が差し込んでいる。その青い光に照らされた場所は、人も動物も、植物や水や建物さえも凍りついたように動かなくなってしまうのです。そう、世界が終わる時が…

原田マハ「カフーを待ちわびて」

原田マハ「カフーを待ちわびて」 主人公の明青は、生まれつき指の無い手をしています。そのため、劣等感を抱えています。そんな明青のもとに、手紙が届くのです。”幸”という、どこの誰ともわからない女性から… *** カフーというのは沖縄の方言で「いい報…

垣谷美雨「子育てはもう卒業します」

垣谷美雨「子育てはもう卒業します」 淳子・明美・紫の3人の主婦は大学時代の同級生。この3人のそれぞれの生活(人生)や子育てが、過去や子ども達の目線を交えながら、語られています。 *** 子育てに正解は無いんだと思いました。 自分としては、子ども…

平安寿子「こんなわたしで、ごめんなさい」

平安寿子「こんなわたしで、ごめんなさい」 婚活を辞めた女性、スタイルが良くて巨乳に悩む女性、美人なのに男性恐怖症の女性など、7人の女性達の話です。一話ずつ読みきりになっています。 *** そんな人いるな。そうかもしれない。と思える話ばかりでし…

地曳いく子「着かた、生きかた」

地曳いく子「着かた、生きかた」 お洒落がわからない。頑張ってもお洒落に見えない。そんな人に向けた本です。なぜお洒落に見えないのか、お洒落な人のやっていること・いないこと、スタイルの見つけ方、これからの着かた生きかた。と4章に分けられて書かれ…

政近準子「好きを超えたら似合うがある」

政近準子「好きを超えたら似合うがある」 大人の女性の装いについて、Q&Aという形で書かれています。 *** 雑誌と同じコーディネートだからお洒落、ではない。 美人だからお洒落、ではない。 若いからお洒落、ではない。 高級ブランドだからお洒落、で…

小川糸「サーカスの夜に」

小川糸「サーカスの夜に」 幼い頃、両親に捨てられ、祖母と祖母の住むアパートの大家さんに育てられた主人公の少年。病気の治療の副作用で、13歳ではあるものの、10歳の体の大きさで成長が止まってしまいます。そんなある時、町の近くにサーカスがやって…

原田マハ「風のマジム」

原田マハ「風のマジム」 主人公は那覇生まれのまじむ。南大東島のさとうきびを使って、沖縄産のラム酒を作るために奮闘します。 *** ”まじむ。お前も育っていけ。良いことも悪いことも、全部、風に吹かれれば、なんくるないさ。” この言葉が心に残りまし…

宮木あや子「帝国の女」

宮木あや子「帝国の女」 大手のテレビ局で働く女性達の話です。 宣伝部、プロデューサー、ドラマの脚本家、出演する芸能人のマネージャー、そしてテレビ雑誌の記者。この女性達それぞれの戦いが描かれています。 *** テレビ局の仕事にあまり興味を持った…

垣谷美雨「あなたの人生片づけます」

垣谷美雨「あなたの人生片づけます」 片づけ屋の大庭十萬里が、依頼主の家へ行き、汚部屋の片づけレッスンを行います。部屋が汚れてしまう本当の理由を見つけ出し、そちらを解決することで、部屋も心もすっきりと綺麗になるのです。 *** 自分自身の精神状…

新海誠「(小説) 言の葉の庭」

新海誠 小説版「言の葉の庭」 この本は、映画「言の葉の庭」を新海誠監督がご自身で小説化したものです。映画では、主人公の孝雄と雪野ふたりの視点から語られる作品だったようですが、小説では、孝雄と雪野の他に孝雄の母と兄、雪野の同僚等、より多くの語…

湊かなえ「リバース」

湊かなえ「リバース」 主人公の深瀬は冴えなくて地味なサラリーマン。趣味はコーヒーをいれて飲むこと。行きつけのコーヒー店で恋人もできました。しかし、ある日「深瀬和久は人殺しだ」という告発文が恋人の元に届きます。実は秘密にしていた過去があるので…

原田マハ「ロマンシエ」

原田マハ「ロマンシエ」 主人公の美智之輔(みちのすけ)は、人としての性別は男ですが、心の中は女の子です。そのことは家族も含め周囲には秘密です。美大生だった美智之輔はアーティストを志しており、卒業後、機会を得てパリで生活することになります。そ…

柚木麻子「その手をにぎりたい」

柚木麻子「その手をにぎりたい」 東京での仕事を辞めて田舎へ帰ることにした主人公。会社の上司が送別のために連れて行ってくれた高級鮨店で恋に落ちてしまうのです。鮨の美味しさと、その鮨を握る職人の手に… *** 舞台はバブルの頃の東京です。 景気がど…

三浦しをん「政と源」

三浦しをん「政と源」 つまみかんざし職人の源二郎とサラリーマンを定年退職した国政。幼馴染の2人は、見た目も、性格も、生き方も何もかも正反対。そんな2人の日常や過去が語られています。 *** 正反対だからこそ、2人の関係がうまくいくのだと思いまし…

川口俊和「この嘘がばれないうちに」「思い出が消えないうちに」

川口俊和「この嘘がばれないうちに」「思い出が消えないうちに」 「この嘘がばれないうちに」では、喫茶店フニクリフニクラに相変わらず時間を移動したい人々が訪れてきます。そんな中で、喫茶店を営む時田家の人たちの過去も少しずつ明かされていきます。 …

垣谷美雨「嫁をやめる日」

垣谷美雨「嫁をやめる日」 まだ40代の夫が急死します。その日は出張のはずが、実は市内のホテルに居たのです。夫が亡くなってから、夫の隠し事や義両親との関係に、息がつまりそうな毎日だったのですが… *** 読んでいて良い気分にはなれませんでした。 私…

朝井リョウ「スペードの3」

朝井リョウ「スペードの3」 3つの話が入っています。主人公はどれも女性です。必死に自分の居場所を作る女性。新しい自分に変わりたいと願う女性。自分と同期を比べて苦しむ女性。 *** 朝井リョウは男性ですが、女性目線の話も上手いと思いました。 今回…

瀬尾まいこ「君が夏を走らせる」

瀬尾まいこ「君が夏を走らせる」 主人公は男子高校生、髪は金髪の元不良。もうすぐ夏休みのとある日に、3歳年上の先輩から1歳10ヶ月の女の子のシッターを頼まれます。戸惑いながらも引き受けることにするのですが… *** 主人公が預かることになった女の子…

原田マハ「旅屋おかえり」

原田マハ「旅屋おかえり」 売れない元アイドルの主人公が、唯一出演していた旅番組が打ち切られてしまったのをきっかけに、"旅屋"をはじめます。旅屋とは、旅行に行けない依頼主の代わりに旅へ出かける仕事です。主人公は様々な依頼を受けて旅に出るのです。…

メアリーノートン「床下の小人たち」シリーズ

メアリーノートン「床下の小人たち」シリーズ 1「床下の小人たち」2「野に出た小人たち」3「川をくだる小人たち」4「空をとぶ小人たち」5「小人たちの新しい家」(第5巻は、4巻が出版された約20年後に出版されたものです。) 物語は親戚のおばさんと女の子の…

柚木麻子「王妃の帰還」

柚木麻子「王妃の帰還」 ある出来事をきっかけに、クラスの中心的なグループにいたカリスマ的存在の滝沢が、仲間からはじき出され、クラス1の地味グループに入ることになります。滝沢が加わったことにより、地味グループは平穏を失ってしまうのです。滝沢を…

角田光代「紙の月」

角田光代「紙の月」 とある銀行から、契約社員が一億円を横領します。横領したのは主人公の40代の主婦です。現在、指名手配中の主人公。主人公自身が過去を振り返る視点と、主人公と関わりのあった人々の視点によって物語が進んでいきます。読み進むにつれ…

三浦しをん「舟を編む」

三浦しをん「舟を編む」 辞書作りの編集者の荒木は、監修者である松本と一緒に新しい辞書作りを企画していました。しかし、荒木は定年を迎えてしまうため、社内で自分の後継者を探すことになります。そして見つけたのが主人公の"まじめ"なのです。 *** 新…

江國香織「東京タワー」

江國香織「東京タワー」 高校時代からの親友である 透と耕二。現在大学生の二人は、年上の女性、しかも人妻と、それぞれつきあうようになります。透は偶然に。耕二は意図的に。二人とも、のめり込んでいくのですが… *** 不倫を描いてはいるものの、静かな…

柚木麻子「私にふさわしいホテル」

柚木麻子「私にふさわしいホテル」 作家を志す主人公が、昭和の文豪達が愛したホテルに自腹で泊まって執筆活動を始めようとしたところ、自分の部屋の真上に大物の作家が原稿を書くために缶詰にされている事を知ります。その大物作家が原稿を落とせば、自分の…