西加奈子「きりこについて」
この話は、猫の語りで物語が進んでいきます。主人公のきりこ。周りから見ると、きりこは美人でも可愛くもありません。しかし、両親から愛情をたっぷり受けて育ったため、きりこ自身は自分がブスだということに気付いていませんし、思ってもいませんでしたが…
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このお話を読んで、”美しさとは何か”ということを考えさせられました。
心に響くセリフや文章がたくさん出てきました。
泣きました。
涙が止まらなくなりました。
ありのままの自分、飾らない自分のまま生きられたらどれだけ自由か…
そんなことを考えながら読みました。
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私の心に刺さったところです。
・「他人の目」「批判」「評価」「自己満足」それは人間の心の中にあるもの。
ねこの排泄物より価値のないもの。
・きれいだと思った。
目が大きいからじゃない、唇がつやつやと光っているからじゃない。
あなたはあなたその人だから。
他の誰でもないから。
・自分のしたいことを叶えてあげられるのは、自分しかいない。
なのに今、誰かの言うことに聞き耳を立て、自分はおかしいのだ、ぶすだから、と自分を否定して、隠れるように生きている。
ぶすって何だ。
誰が決めたのだ。
美しさとは?
誰が決定する?
誰が?
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猫の目線で語られた、現代の人間の生きにくさに共感できました。
私自身も、自分で気づかないうちに、他人の目や他人の価値観に縛られているようです。
この本を読んでみて、それに気が付きました。
これからは ”自分はどう思うか” を軸にして、思うように生きたいと思います。