本のある ゆたかな暮らし

本を読んで心豊かに暮らしたい

西加奈子「きりこについて」

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西加奈子「きりこについて」

 

この話は、猫の語りで物語が進んでいきます。主人公のきりこ。周りから見ると、きりこは美人でも可愛くもありません。しかし、両親から愛情をたっぷり受けて育ったため、きりこ自身は自分がブスだということに気付いていませんし、思ってもいませんでしたが…

 

***

 

このお話を読んで、”美しさとは何か”ということを考えさせられました。

 

心に響くセリフや文章がたくさん出てきました。

 

泣きました。

 

涙が止まらなくなりました。

 

ありのままの自分、飾らない自分のまま生きられたらどれだけ自由か…

 

そんなことを考えながら読みました。

 

***

 

私の心に刺さったところです。

 

・「他人の目」「批判」「評価」「自己満足」それは人間の心の中にあるもの。

ねこの排泄物より価値のないもの。

 

・きれいだと思った。

目が大きいからじゃない、唇がつやつやと光っているからじゃない。

あなたはあなたその人だから。

他の誰でもないから。

 

・自分のしたいことを叶えてあげられるのは、自分しかいない。

なのに今、誰かの言うことに聞き耳を立て、自分はおかしいのだ、ぶすだから、と自分を否定して、隠れるように生きている。

ぶすって何だ。

誰が決めたのだ。

美しさとは?

誰が決定する?

誰が?

 

 ***

 

猫の目線で語られた、現代の人間の生きにくさに共感できました。

 

私自身も、自分で気づかないうちに、他人の目や他人の価値観に縛られているようです。

 

この本を読んでみて、それに気が付きました。

 

 これからは ”自分はどう思うか” を軸にして、思うように生きたいと思います。