朝井リョウ「死にがいを求めて生きているの」
意識が戻らずに植物状態で病院に入院している南水智也と、毎日のように見舞いに来る堀北雄介。二人は幼稚園の頃からの幼馴染です。はたから見ると二人の間には友情があるように見えるのですが…
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長い話で読みごたえがありました。
この話は、海山伝説を取り上げて、対立をテーマに書かれている物語です。
線引きをして、自分の側と相手の側と対立することで、自分の存在を確かめるのではなく、かといって完全に混ざり合って一つになるのでもなく、別々のものとして認め合い、生きていくにはどうしたらいいのか。
人が対立してしまうことについて。
自分の存在意義や生きがいについて。
考えさせられる物語です。