柚木麻子「マジカルグランマ」
映画監督の夫とは不仲で家庭内別居状態。離婚を想定して自分の生活費を稼ぐために、74歳で女優に復帰した正子。夢かわいいおばぁちゃんとして世間の人気者になりました。しかし、夫が孤独死をしたのを機に大炎上してしまうのです。
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世の中が求める姿そのものであり、都合のいい存在をマジカル○○と言うそうです。
この本で初めて知りました。
この物語の主人公の正子は、世の中の求める姿を拒否したため芸能界から干されました…汗
この物語は途中からすごいです。
炎上を逆手にとって逆境を乗り越えていきます。
また、主人公の正子さんがマジカルグランマから解放されて自由になりました。(自由過ぎています。笑)
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おばあちゃんとはこういうものだ…という押し付けで、そこから外れた人々が傷ついたり苦しんでる。
そういう視点に気づかせてくれる本です。
おばあちゃんだけではありませんよね。
母親とはこういうものだ…とか、幅広く見ると、日本人はこういうものだ…とか。(欧米の人から見た日本人)
こういうものだ。こうあるべき。なんて誰が決めたんでしょう…?
私自身は子育て中なので、まだ子どもが赤ちゃんの頃、素敵ママ像に縛られているような時期も正直ありました。
子育て中も身綺麗で、家事も完璧で、毎日充実していてキラキラしてて…みたいな感じです。
今なら断言できますが、そんな人居ないと思います!
となりの芝生は青く見えるだけです。