本のある ゆたかな暮らし

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市川拓司「こんなにも優しい、世界の終わりかた」

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市川拓司「こんなにも優しい、世界の終わりかた」


世界中の空が灰色の雲に覆われ、その雲から青い光が差し込んでいる。その青い光に照らされた場所は、人も動物も、植物や水や建物さえも凍りついたように動かなくなってしまうのです。そう、世界が終わる時が来たのです。そんな中、主人公は最愛の人に会うために自分の故郷を後にして、旅に出るのです。伝えることができなかった自分の気持ちを伝えるために…


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青い光に照らされた場所から全てが終わっていく…その設定が少しホラーのようでドキドキしましたが、先が気になって夢中で読めました。

 

世界がもうすぐ終わるんだと気づいた人々が、どうせ終わるなら幸せな最後を迎えようとします。

愛する人や家族を大切にしたり、周りの人に親切にしたり、自分の気持ちと向き合って素直になったりと、優しさに溢れていて、心にしみて涙が出ました。

(現実の世界でもそうなれば良いのに…そうしたら世界は平和になるのに…)

 


時は無限にあるわけじゃない。

だから一秒でも無駄にしちゃいけない。

愛情や優しさを出し惜しみしちゃいけない。

今を大切に生きなきゃいけない…そんな風に強く思いました。