朝倉かすみ「好かれようとしない」
主人公の風吹はとても不器用で、すぐに顔が赤くなることから、昔からの友人には「ユゲちゃん」と呼ばれています。ある時、開かなくなったスーツケースを開けるために呼んだ鍵屋に恋をしてしまいます。
***
この物語の設定は、意外と複雑でした。
本当は地味な感じの主人公が、恋をして、必死に頑張っているのが伝わってきました。
恋をすると衝動的になってしまうこともありますよね。
自分の立場とか、年齢とか、結婚しているとか…すべて忘れて突っ走ってしまう。
それが、この本の中に出てきた ”恋は人を選ばない。人も恋を選べない…” という言葉に集約されていると思いました。