遠藤彩見「バー極楽」
主人公は寺の跡取り息子である照。修行に出て、照月という名前をもらいました。安穏寺は東京の都心に近い区の住宅街にある小さなお寺です。お寺の敷地の一角に、今は亡き母が茶道教室をしていた茶室があります。ある日突然、謎の姉妹が現れ、茶室をバーに改装して営業を始めたのです。その姉妹は、荒行に出ている住職である照月の父に、バーの経営を頼まれたと言うのですが、どうも腑に落ちません。住職の父に確認しようにも荒行中で連絡が取れず、バーを見守ることしかできないのです…
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フミヨとテイ子という謎の姉妹。この二人は何者なんだろうと思いなが読み進めました。
姉妹は、バーを経営しながら、寺の檀家の人たちをどんどん取り込んでいきます。
寺の敷地を乗っ取るのが目的かと思いきや、照月の人助けにも加担しているため、極悪人ではないのかな、と思えてきたり…
とにかく楽しく読めました。
若い住職へ世代交代をしようとする小さなお寺の物語です。
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読んだ後、心があたたかくなるようなお話でした。
若い住職がんばれ!そして私も頑張ろう!
そんな風に思えました。