角田光代「くまちゃん」
古平苑子は23歳のお花見の時に、くまちゃんに出会いました。お花見の主なメンバーは学生時代の友人ですが、友人が友人を連れてきたり、恋人を連れてきたり、職場の同僚を連れてきたりと、知らない人も一緒に飲み食いするような会でした。モチダヒデユキと挨拶をした彼が、くまの絵のついたトレーナーを着ていたので、”くまちゃん”となったのです。
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7つの短編からなる本です。
1つ1つの物語が少しづつ繋がっています。
主人公は、女性、男性、職業も様々ですが、共通点は、みんな恋をしていることです。
恋をして、自分の新たな一面に気付いたり…
かつての恋人を思い出し、あの時はわからなかったことが、今は理解できたり…
自分が嫌っていたタイプに、自分自身がなっていることに気付いたり…
形は様々ですが、本気の恋をするということが書かれていたように感じています。
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どの物語も、現実の世界で実際に起きていてもおかしくないような物語でした。
本当に物語の中の様な人はいそうですし、そういう恋愛をしている人もいそうだと思いました。